なんかひろゆきさんもついに賠償金を払う気になったらしく「ついにひろゆきも心を入れ替えたのかー」と思ってる人もいるのかもしれませんが、私は「法改正されて刑事罰喰らう可能性出てきたから焦ってんだろうなー」と、ややリアルめなことを考えてしまっているのは職業病なのかもしれません。
さて、未だによく言われる「なんで裁判で負けたのにお金払わなくてもいいの?」という質問です。民事のお話なので厳密には買ったの負けただのって表現からしてナンセンスなのですが、分かりやすくここは勝ち負けで考えます。損害賠償でも貸金返還でもなんでもいいですが、みなさん100万円の裁判で負けたとしましょう。その時素直に100万円支払いますか?「負けかーしょうがない素直に払おう」と思ったそこのアナタはエライですよ。世の中アナタたちみたいな人達だらけだったら弁護士や司法書士の仕事がどれだけ楽になるか(笑)現実には払わない人も非常に多いです。理由は色々あるようなんですが、特に感情的な面でやっぱり認められないようなんですよね。なので私はひろゆきさんが今まで賠償金を支払っていなかったことについては、特に何とも思ってないです。珍しい事でも何でもないので。当然そんなことお国も織り込み済みなわけで、日本には強制執行、よく言う「差し押さえ」というシステムがあります。お国が国家権力で私人の財産を処分しちゃうというアレですね。ザックリとですけどこの差し押さえシステムの流れを説明すると
「債務名義の取得」
「執行分の付与」
「送達」
の三段階に分かれます。
まず「債務名義の取得」ですが債務名義とは何ぞや?というお話です。例えばある日私が裁判所に赴いて「ひろゆきさんの財産差し押さえたいんですけど」って言ったって取り合ってくれるわけがありません。頭がオカシイ奴と思われて終わりです。そこで債務名義です。債務名義ってのはいわば国家権力で作成された「印籠」です。そこには「これこれこういう理由なので誰々は誰々にいくら支払え」と書かれています。この印籠を裁判所に提示して「こいつが支払わないから差し押さえてくれ」ということで差し押さえがスタートします。印籠にもいろいろ種類はあるんですが、一番有名な印籠がご存じ「判決」なんです。だから法廷であーだこーだ言い合ってる目的はこれなんです。訴え通りの印籠を裁判官に書いてもらうために頑張ってるんです。なので特に代理人ですけど、どっちが正義だとか悪だとか正直そんなことは(あくまで民事のお話ですが)どうでもいいし、考えても分かりっこないんです。第一に目指してるのは「訴え通りの債務名義の取得」ということなんです。
で、無事に債務名義が取得できたら次は「執行分の付与」ですが、これはまぁ裁判所の債務名義チェックです。その債務名義が現に効力を有するものなのか、裁判所のチェックが入るわけです。極端な話、偽造された債務名義に基づいて国が私人の財産を処分したなんてことになったらえらい事ですからね。チェックし終わったらこの債務名義に基づいて強制執行していいよってことで、債務名義の最後にスッと執行文ってのが入ります。
最後はこれを債務者(ひろゆきさん)に送達します。これは日本の司法の大原則で「不意打ちはダメ」ってことです。これからこれこれこういう理由であなたの財産差し押さえるからね、ってことをお知らせして差し押さえスタートです。まとめると印籠を取って、印籠をチェックして、告知する、そんだけの話です。意外と単純でしょ?(笑)
そこで「なんで裁判で負けたのにお金払わなくてもいいの?」という最初の質問に戻ると、ちょっと考え方変わってきませんか?払わなくてもいいかどうかと聞かれたら、そりゃ倫理的には負けたんだから払えよとは思いますが、倫理じゃどうにもならないことがあるのが現実ですし、私も人間です、払いたくない奴の気持ちもちょっと分かるじゃないですか(苦笑)それに本当に珍しくもなんともないんですよ素直に支払わない人なんか。もちろんそういう人間に対するシステムも用意されてるわけで、そうなるとキモはひろゆきさんがどうこうではなくて「判決取ったんでしょ?なんでひろゆきの財産差し押さえないの?そのために裁判頑張ってたんじゃないの?」っていう疑問が出てきませんか?業界の人はこっちで考えてる人多いんじゃないですかね。
別にどっちの疑問が正しいか間違ってるかの話ではないんですが、ここらへんは一般の方と業界の人間の感じ方の違いなのかなーと思ってます。ちょっと長くなってきたんで、なぜ差し押さえ(られ)ないのかの理由については希望があればまたどこかで。
そろそろか……
>鉄拳始めようと思うんですけどオススメ教えてください
単純に勝つのが目的ならドラグノフ、アリサ、クラウディオ、レイナ、ヴィクターといった比較的簡単かつ強キャラ。最初は負けが混んだとしても最終的に鉄拳が上手くなりたいなら仁、カズヤ、ポール、リリ、ブライアンとかかな。