DSC_0001

先日、1か月にも渡った司法書士の特別研修も無事に終えることができたので、その感想です。

特別研修って何ぞや?

詳しくはこちらをご覧ください。
ザックリいうと、この研修を終えて2か月後にある試験に受かれば、簡易裁判所で訴額140万円までの訴訟において、訴訟代理人として活動できるようになります。みんながイメージしてるような「異議あり!」みたいなことができるようになるって研修ですね。


率直な感想

まぁシンドイっす(苦笑)
1か月チョイで100時間という研修時間が決められているため、土日月+平日どこか1日はほぼ確実につぶれます。プラス予習復習がほぼ必須なため(同期の前で赤っ恥さらしたり、迷惑かけるのが苦ではない方は別)フルタイムで働いてる人には悶絶必死なスケジュールになることは間違いありません。

さらには費用も14万5000円と高額です。研修場所もかなり限られているため、私は埼玉で受けましたが、栃木や新潟から来ている人もいました。人によっては交通費や宿泊費もバカにならないでしょう。

そのうえ点呼もかなり厳しく、欠席(特段の事情を除く)&15分以上の遅刻は一発アウトです。以後の受講資格ははく奪され、来年までサヨウナラとなります。もちろんお金も返ってきません。
15分以内の遅刻や、zoomの回線不調など一定の書類で証明を出せば補講が可能ですが、それにも2万だか3万だかのお金がかかるみたいです。うーん、エグイ!
金銭面でもそうですし、体調面にもかなり気を配らないといけないことは間違いありません。


特別研修って受けたほうがいい?

受けた方がいいか受けなくてもいいかでいえば、自分は受けた方がいいと思います。
ただ「必要かどうか」と問われると、自分には疑問符が付きます。それはやはり現状あまり活用されている制度ではないし、司法書士の中でもあまり積極的に活用している人も少ないからです。
そもそも裁判代理業務に興味がある、代理業務を積極的にやりたいというのなら司法試験を受けて弁護士資格を取得するべきだと自分は考えるし、講師の弁護士もそのようなことを述べていました。事実この研修で代理業務に興味が出たから司法試験目指そうかなと言っていた人も何人かいました(自分はノーサンキューです)
じゃあなぜシンドイ思いをしてまで受けた方がいいのかという理由について以下要約。
-----------------------------------------------------------------
・みんな受けるから、そういう雰囲気だから(笑)
・知的好奇心、知識は持っておくに越したことはないから
・登記件数の減少やAI・IT技術の進歩を考えると職務のオプションとして訴訟代理権を持っておくのは悪くないから
・同期と知り合えるから、一生モノの仲間と知り合えるから
------------------------------------------------------------------
こんな感じでしょうか。特にコロナ過も過ぎ去らぬ昨今、インターネットでの研修が増加している中、直接同期と対面で長期間絡めるこの特別研修の存在意義はかなり大きいと思います。
自分は埼玉組で35,6人いたんですが、それを2グループに分けて、さらに5~6人の組に分けて訴状などを作成していくわけですが、そのグループ単位、特に自分が所属した組の仲間はおそらく一生モノの付き合いになるんだろうなと直感できるぐらいの間柄にはなった気がします。
狭い業界(埼玉でも司法書士は1000人もいない)ので、貴重な一生モノの仲間を作る、これだけでも15万円の価値はあると思います。むしろ安いです。

逆に「特別研修は受けない」「別に受けなくてもよかったかな」って人もいるので、そういう人の意見も載せておきます。
----------------------------------------------------
・単純にキツイ。フルタイムで働いてる人には地獄のようなスケジュールになる
・金がかかる
・研修場所が合わない(かなり遠方)
・訴訟代理業務をやる予定がない
----------------------------------------------------
受けない人の理由としてはこんな感じですが、前述のとおり自分は受けた方がいいと思うし、大体合格者の8~9割の人が受ける流れにはなっているのが現実です。
昔のオジイチャンオバアチャン司法書士は別として、最近の司法書士は簡裁訴訟代理権を持っているのがデフォになってきているので、信用という面でも持っておくに越したことはないのかなと思います。



研修の内容

基本講義【12時間】
大学教授や弁護士、裁判官の講義を動画で視聴します。家で動画見るだけなので、ここらへんはまぁジャブって感じ。

グループ研修【37時間】
司法書士のチューターのもと、与えられた課題について訴状を作ったり答弁書を作ったりします。後のゼミナールの予習みたいな立ち位置。1回の研修が休憩除いて大体4~5時間、zoomで作業することになりますが、普通にチューターから質問されたりするんで予習は必須だし、手元に六法と参考書はおいておかないとヤバイです。予習してないと赤っ恥かくし、同期から使えない奴扱いされることになります。zoomなので周りに誰もいないので、相談することもできません。無音の状態が続くと、マジで変な汗かくらしいから(自分ではないです)

ゼミナール【6時間×3】
グループ研修よりもさらに詳しく要件事実等について弁護士の先生から講義を受けたり、グループ研修で作成した準備書面について講師より講評をいただいたりします。
もちろん質問もガンガン飛んでくるので予習は必須です。
それに司法書士と弁護士だとその職業柄というか職業病とでもいうんですかね、どことなくやっぱり「圧」がありますよ弁護士は(苦笑)
別に怖い人とか意地悪な人とかそういうのではないので自分はそこまででもなかったのですが、けっこう委縮してる受講者も多かったのかなという印象。
ここらへんやっぱり平和産業と言われる司法書士と、戦争代理人と言われる弁護士との違いなのかなと。
逆に自分なんかは「弁護士系だよね」と言われる始末。どんな系統じゃ(笑)

裁判傍聴【16時間】
簡易裁判所と地方裁判所へ赴き裁判傍聴。まぁ言うまでもないですけど裁判傍聴に興味がある人は地裁行った方がいいです。簡裁はたぶん見ても(゜Д゜)←こうなるだけなんで。
それにしても朝8時45分集合は普通にキツかった。あの時間の京浜東北線とかマジで〇んだ方がいいな(オイ)

模擬裁判【13時間】
これは実際に会場に集合(埼玉は大宮)して、グループごとに原告と被告に分かれて、今までの研修で得た知識と経験を総動員して訴状や答弁書、その他準備書面を作成してお互いに交換し合い、模擬裁判を2件行うという感じです。
配役としては基本的には原告側の受講生は原告代理人、被告側は被告代理人をやるはずですが、レア役として裁判官(3人)と当事者(原告・被告・証人の3人)がいます。
自分は一方の事件で裁判官やりました。いや、一度やってみたかったんですよ裁判官(笑)
メッチャ楽しかったっすね!公務員なのがちとアレですが、生まれ変わったら裁判官も悪くないなあと思いました。
ただ当事者役の人はクッソ大変そうだったので、もし特別研修を受けることになったこのページを見ている人、当事者だけはヤメとけ。

総合談義【4時間】
最後は弁護士の講師から訴訟代理をする上での問題点や倫理についての講義。ここは別に司法書士でもよかったんじゃないかなあと思う次第ですが、何かあるんでしょうかね。


こんな感じで欠席することもなく無事100時間研修を終えることができました。
あとは試験に合格するだけなんですが、これまた合格者の名前が出ちゃう試験なので、もし落ちると「うわ!リーダー落ちてるよダッサ~」などと笑われてしまうことになるので、頑張って勉強しようと思います。
(一応今期埼玉会場第2グループのリーダーを務めさせていただきました)